長い梅雨が明けた日


「ってか、お前ら見てて思ったんだけど」

まだ背中を擦る豊永が話しだす。

「なんで優弥と河野は遠慮しあってんだ?」

「…別に遠慮してねえよ」

俺も優弥も遠慮してない。
ただ、理乃を待っていただけだ。

俺と優弥は多分親友と言える立場だと思う。

けど親友の前に恋敵だ。

直接そんな話はしてないけどお互い見ていれば分かる。

だからあえて言わない。

それだけお互いを黙認して二人で理乃を待っていただけだ。