昼休みに自分の気持ちに気付いた私は誰とも話す事なくぼんやりとしていた。


「……理乃ちゃん、私先に帰るね」

声をかけられてふと気付けば、琴美がスクバを持って私の側に立っていた。

その琴美の表情は冴えないものだった。


昼休みに私と話してたけど、結局琴美の最後の疑問には何も答えてない。

それを思い出して申し訳なくなる。


「ごめんね琴美。
あの後、色々思い出した事があるんだけど…今はまだ上手く言えなくて…」

「私は平気だよ。
…でも理乃ちゃん、あまり考え込まないでね。部活行くならちゃんと切り替えてね」

何を思ったのか琴美は珍しく「絶対ケガしないでね」と言って教室を出て行った。