「ここのブリオッシュがおいしいそうですよ。メイドのクラリスが話していました」

「わあ、可愛いカフェ!」

小鳥をモチーフにした家具が並べられたカフェにリリアは目を輝かせる。リオンはリリアを空いている席にエスコートし、リリアを座らせた。

「ブリオッシュを一つとロイヤルミルクティーを一つお願いします」

「かしこまりました」

店員に注文し、リオンはニコニコ楽しそうなリリアを見つめる。リリアはそっとリオンの頭を撫でた。

「フフッ。とっても楽しい!こうやってさ、一緒に遊ぶなんて小さい頃以来だよね?懐かしいなって思って」

リリアの言葉にリオンは「そうだね」と微笑む。幼い頃は一緒に隠れんぼをしたりして遊んでいた。しかし、王子や王女としての勉強が始まると、それぞれ会える時間も減っていってしまったのだ。

「これからきっと、どんどん会えない時間が増えるんだよね?」

リリアが寂しげに言う。その目からは涙がこぼれそうだった。それを見てリオンの目が見開かれる。