リリアはそう言い、リオンはまたため息をつきたくなった。執事ごっこなどしなくても、自分たちの周りにはたくさんメイドも執事もいる。

「だって、小説や演劇みたいにあたしたちは執事やメイドと関わりがないもん。あたしだってあんな風に「お嬢様」って言われて大事にされたい!」

ダメ?とリリアに見つめられ、リオンは「しょうがないなぁ」と言いながら着ている黄色の豪華な衣装から執事服へと着替えた。

「これでよろしいですか?お嬢様」

リオンはそう言いリリアの方を見ると、リリアは目を輝かせる。そしてリオンの手を取って「そう!これがあたしの求めていた執事!」と興奮しながら言う。そしてドレスの裾を持ってどこかへ走って行った。

「えっ!?リリアどこに行くの!?」

「あたしも着替える!!」

お嬢様と王女様って衣装はそんなに変わらないんじゃ……。リオンがそう思った時にはリリアの姿はもう視界になかった。



「ちょっとリリア!さすがにこれはまずいって!」

「黙りなさい、執事!今日はわらわの言うことを聞くのじゃ!」