「……ん、」 不意に漏れた声に起こしたかと慌てて手を引っ込めた。 「朝比奈くん……だいすき…」 ムニャムニャとそう言って、再び深い眠りの中へ。 「……ばーか」 何の夢見てんだよ。 気づいたら勝手に手が伸びて、あいつの頬に触れていた。 指先で、ゆっくりと撫でる。 「…やわらけ」 どうしてか手が止まらない。 ……なんだこれ。 もっと触れたい、なんて。 こんなの知らない。