「え、そうなの!?」
「うん。気持ちよさそうに寝てた」
「ごっごめんなさい!なんか私いっぱいいっぱいで、その、朝比奈くんとあんなにいっぱいキスしたの初めてだったし…!」
そこで見上げた朝比奈くんとばっちり視線が絡み合う。
自然と唇に目がいってしまった、昨日の夜はこの唇と…と思うと、なんかもうたまらなくなって
「やり直そう今から!ばっちり寝て睡眠不足も解消されたことですし!ばっちこい!!」
両腕を広げてやる気をアピールした私に、朝比奈くんは「…ばか」と頭を抱えた。
「いいよもう。今更」
「いいよもう!?今更!?」
私の頭に大きく浮かぶ“別れ”の二文字。
「そ、それだけは…それだけは勘弁してください…」
「…たぶん絶対に伝わってないよね」
朝比奈くんはため息をつくと、私の手首をつかんで勢いよくひいた。
受け止められた広い胸板。ギュッと背中に腕をまわして抱きしめられる。
「昨日の今日で…こっちも恥ずいんだよ。わかれ」



