30分後。



ガチャ、と脱衣所の扉が開く音がした。



思わず背筋をまっすぐ伸ばして、おそるおそる振り向く。



そこには…




「風呂ありがと」


「!!!!」




タオルを肩にかけた、ゆったりとしたスウェット姿の朝比奈くんが…!!




「かっ…


かっこいい!!」



「は?どこが…?」



「いつもの制服きちっと着てる朝比奈くんもかっこいいけどこれもまた堪らないね!!」


「あ、そ…」




困惑したように朝比奈くんが視線を逸らす。



あーもう!!やっぱり大好きなんですけどー!!!




興奮が抑えきれない私の横に、朝比奈くんがゆっくり腰かけた。



その重みでソファが少し沈む。




ふんわり、我が家のシャンプーの香りがした。





朝比奈くんからうちのシャンプーの香り、なんて…なんか…





「背徳感!!!」



「なにがだよ」




呆れたような朝比奈くんの声がして、ふ、と朝比奈くんの腕がこっちに伸ばされた。