ハッピーエンダー


「どこで、どうやって稼ぐお金ですか。教えてもらわないと私、そんなお金絶対にもらいません」

もちろんどうやってもお金をもらうつもりはない。ただ彼に付きまとっている恐ろしい闇を知りたい一心だった。もうなにも彼を苦しめないでほしいのに。

「……あんまり言いたくないな」

「まさか悪いことして稼ぐつもりですか!?」

「ああもう、いつもと一緒だって。寝て金もらうだけ。俺が相手ならいくらでも出せるって言ってるやつがいんの。百二十五万と言わず一千万もらってきてやるよ」

私は納得がいかず顔を歪めた。だって、そんなあてがあったのなら、今までいろんな人の家を泊まり歩く必要はなかったはず。これまでそのあてを使わなかった理由はなに? それに、今、自分がどんなに痛ましい顔をしているか、気づいていないの?