リビングに行くと、なんだか良い匂いがする。
テーブルの上を見ると、スクランブルエッグとレタス、ウインナー、トーストしてある食パンが並べられていた。
「これ、先生が作ったんですか?」
「そうだよ!優愛ちゃんより全然料理なんて出来ないから簡単なものしか作れないけどね。」
「美味しそうです。」
「さ、食べよっか!」
「はい。」
私は椅子に座って、手を合わせて「頂きます。」と言い、朝食を食べ始めた。
「美味しい、です。」
「良かった!」
朝食なんて作って貰った事無いから、何だか嬉しくて、涙が出てきた。
「え、ちょ、優愛ちゃん!?どうしたの!?どこか痛い!?」
慌てている先生に首を横に振る。
「そうじゃなくて………。朝食を作って貰った事無いから、嬉しくて………。」
そう言うと、先生は私の横に来て、頭を撫でて
「これから、優愛ちゃんにとっての“初めて”を沢山あげるからね。」
とても優しい声でそう言ってくれた。
「じゃ、行ってきます!」
朝食を食べ終わって、先生は私の頭を撫でる。
「あ、はい。行ってらっしゃい。」
「うん!」
先生は颯爽と家を出ていった。