それから先生は食器を洗ってお風呂に入っていった。
私は教科書とノート、筆箱を取り出して、とりあえず学校を休む前にやっていた所から、問題を解いたり文を読んだりしていた。
しばらくすると………
「はぁー、スッキリしたぁ!」
と、先生がお風呂から上がってきた。
ふと時計を見ると、もう30分も勉強してた。
「ん?優愛ちゃん勉強してるの?」
先生は机の上を見てそう聞いてくる。
………いや、聞かなくても、見れば分かるでしょ。
「はい。」
「だーめ!まだ怪我良くなってないのに、無理しないの!」
そう言われて教科書を閉じられた。
確かに、アザもまだ引いてないしタバコを押し付けられた痕も少しジンジンする。
だけど、勉強しないと追い付けないし………。
「怪我が良くなったら、教えてあげるからさ。」
私の頭を撫でながら優しく言う先生の手が何だか気持ち良くて、途端に睡魔に襲われる。
「優愛ちゃん、おやすみ。」
この声を最後に、私は夢の中へと旅立っていった。
