「ど、どうしたの!?どこか痛い!?」


アタフタする俺と、目を見開いてる親父。


優愛ちゃんは首を横に降って、「ち、違くて………。」と言った。


「う、嬉しくて………。いつも一人で食べてたから………。」


胸が痛くなった。


そして、優愛ちゃんが言っていた事を思い出す。


『1年に数回帰ってくる程度』


………いつも一人で、食べていたんだよな。


会話も無い食事。


家族が居るようで居ない。


そんな日々を優愛ちゃんが過ごしていたと思うと、本当に胸が痛い。


「春川さん。」


ふと、親父が優愛ちゃんを呼んだ。


親父の顔を見る優愛ちゃん。


「よく、頑張ったね。これからは俺も翔琉も居るし、春川さんに寂しい思いなんてさせないよ。」


ツーっとまた優愛ちゃんの目から涙が出てきて、俺は指でその涙を拭いた。


「そうだよ。もう、優愛ちゃんに寂しい思いなんかさせない。約束する。」


そう言うと、優愛ちゃんは俺と親父を交互に見て、ニコッと笑顔で「ありがとうございます。」と言った。


その笑顔に、俺と親父がやられたのは言うまでもない。