今日は土曜日だからか中に人が沢山居て、人酔いしそう。


「まずは~………、服だなっ!」


「え?」


何かを呟きながら先生は私の手を握ったまま、ズンズンと歩いていく。


そして着いたのはレディースファッションの店。


「優愛ちゃんって、普段どんな服着るの?」


「黒とか、紺とかですかね。」


「えー、白とか着ないのー?」


「あまり明るい服は着ないですね。持っている服も、ほとんどTシャツですし。」


「そうなんだー………。」


そんな会話をしながら、店の中を回る。


「あ、これは!?」


先生が手にしたのは、黒のオフショル。


確かに色は良いんだけど、肩出すのはちょっと………


って!


「そもそも、服なんて見てどうするんですか?私、新しい服買うお金なんてありませんよ。」


こう言うと、先生はぷはっと吹き出し、私の頭に手を乗せた。


「これから一緒に住むんだし、優愛ちゃんにとって必要なものでしょ?お金なら心配しなくて良いよ。俺がしたくてしてる事なんだからさ。」


その言葉に、不覚にもドキッとしてしまった。