「………俺の顔に何か付いてる?」


ふと、先生がこちらを向いてそう聞いてきてハッとする。


見すぎていたみたい。


「いえ。すみません。」


「もしかして、俺に惚れてくれた?」


「そんな訳ないじゃないですか。」


自惚れるのも、ほどほどにしてほしい。


「良かった。いつもの優愛ちゃんに戻った。」


そう嬉しそうな声で言う先生を見ると、声だけでなく顔も嬉しそうだった。


なんか、調子狂うな………。


「着いたよ。」


もう着いたんだ。


車から降りると、ショッピングセンターの駐車場だった。


「入ろっ!」


自然に手を繋がれて、半ば強引にショッピングセンターの中に連れて行かれた。