「ん………。」


優愛ちゃんの事を考えていたら、いつの間にか寝ていたみたいだ。


両腕を上げて伸びをすると、何かがパサッと落ちたのに気付き目を向けると、毛布が落ちていた。


………もしかして、優愛ちゃんが掛けてくれたのかな?


俺は立ち上がり寝室のドアの前まで来て、深呼吸をする。


コンコンとドアをノックして、「優愛ちゃん?」と声を掛けるが返事が無い。


まだ寝てるのかな?


「入るよ?」と一応声を掛けてドアを開けると、そこには優愛ちゃんの姿は無く、もぬけの殻だった。


「どこ行ったんだろ………。」


呆然と立ち尽くす俺。


ふとベッドの隣にある小さなテーブルに、紙が置かれているのに気が付き、恐る恐るテーブルに近付く。


紙を手に取って見てみると、『お世話になりました。』と綺麗な字で書かれていた。


帰ったのか………。


って、ココからの帰り道分かるの!?


優愛ちゃんがちゃんと帰れたか心配になって、鍵とスマホ、財布だけ持って慌ただしく家から飛び出した。