しばらく優愛ちゃんの頭を撫でて、俺は寝室から出た。


スマホを取り出して、親父に電話を掛ける。


『もっしも~し!』


相変わらずテンションが高い親父に、俺はそっとため息を吐いた。


「親父。優愛ちゃんの事情、結構深刻かも。」


今日俺が優愛ちゃん家に家庭訪問する事は親父はもちろん知っている。


去年は優愛ちゃんだけ家庭訪問無かったからか、優愛ちゃん家に行く事を伝えたら驚いてた。


「………春川さんには、どういう事情があるんだ。」


さっきとは打って変わって真剣な声をする親父。


今日の事を大まかに話して、そして………


「今、俺の家に居てベッドで寝てる。」


と言うと、「マジか!」と興奮気味の声が聞こえた。


その声が大きくて、思わずスマホを耳から遠ざけた。