先生はガチャっとドアを開けると、「どうぞ、お姫様。」なんてキザな事を言いながら、私が入るのを待っている。


「………お邪魔します。」


玄関で靴を脱いで端に揃えて置くと、クスクスと笑い声が聞こえた。


「律儀だね。」


「当たり前の事をしてるだけです。」


そんな会話をしている間に先生も靴を脱いだらしく、「こっちだよ。」と、私を部屋に案内してくれた。


「広っ。」


やっぱり中も広くて、私はキョロキョロと部屋を見渡す。


大きなテレビにテーブル、大きなL字型のソファ、本棚などが置かれている。


本棚にはぎっしりと本が並んでいる。


キッチンは対面式で、こちらも広い。


「今暖かい飲み物淹れるから、適当に座ってて。」


そう言ってキッチンに立った先生を横目に、私はソファとテーブルの間の床に座った。