暫くして先生はゆっくりと私から離れた。
なんでだろ、ちょっと寂しい気がする。
「もうこんな時間だね。優愛ちゃんが嫌じゃ無かったらで良いんだけど、俺ん家に来ない?」
いきなりの提案に戸惑う私を見て、先生は続けて
「さっきの事もあるし、帰り辛いでしょ?」
と言った。
確かに………
あの人、まだ家に居るかもしれないし。
でも、前川先生も一応私の中では危険人物と認識してる訳で。
そんな人の家に行って何かされたら………。
悩んでいると、先生が私の手を握ってきた。
「こんなに手が冷たいよ。風邪引いちゃう。」
優しく諭す様にそう言う先生を拒否する事なんて出来なくて。
「………行きます。」
そう返事をして、私は先生に着いていった。