「んー、可愛い!朝からこんな可愛い優愛ちゃんに会えるなんて、俺今日1日頑張れそうだわぁ!」


本当にこの人教師か………?なんて思いつつ、私はまた小説に目をやって、口を動かす。


「気持ち悪いです。あと、名前呼び辞めてください。」


「やだー。あ、それ昨日読んでた小説だよね?やっぱり、小説みたいな恋愛したいの?」


「違いますよ。現実ではあり得ない恋愛を描けるのが小説じゃないですか?実際ありそうなものもありますけど、私は非現実的なのが好きです。」


………って、何話してんだろ、私。


昨日の先生を見て、本気で気持ち悪いと、関わりたくないと思ってたんだけどな。


「小説、好きなんだね。」


先生があまりにも優しい顔で、優しい声でそう言うから、私は不覚にもドキッとしてしまった。