次の日、私は早くに登校してきた。


まぁ、色々と事情がありまして………。


私が向かったのは、やっぱり図書室。


1年生の時から、図書室のこの静かな空間が好きだった。


昨日読んでいた本をまた取り出し、椅子に座る。


ページをめくり、昨日の続きを探して読み始めようとした時、ガラッと図書室のドアが開いた。


「お、優愛ちゃんはっけーん。」


入ってきたのは、前川先生。


“またか………。”と心の中でため息を吐きつつ、小説に目を落とす。


「おはよう、優愛ちゃん。」


「………おはようございます。」


小説に目を向けたまま挨拶を返すと、スッと先生の手が伸びてきて顔を掴まれ、「こっち見て。」と目線を合わせられる。