慌ててレジに行くと、もうお会計は済んでいた様で、先生はレシートを受け取っていた。
そして私の手を握り、カフェを出た。
「先生、アイスティー代払います。」
カフェを出てすぐに私がそう言うと、先生は立ち止まって「いいから。」と笑顔で返事をした。
あぁ、この笑顔でどれだけの女を落としてきたんだろうか。
………そう思う程に、先生の笑顔は甘かった。
ま、私は好きになんてならないけどね。
「………ありがとう、ございます。」
「どういたしまして。」
「手離してください。帰ります。」
「いいじゃん、このままで。」
「良くないです。同じ学校の生徒に見られたらどうするんですか。」
さっきと違って外だから、尚更見られたらマズいでしょ。
「………分かったよ。」
渋々、といった感じで、先生は手を離してくれた。