後夜祭の時間、ただ私一人だけが居る教室。
窓枠に近付いて下を見ると、生徒達がうじゃうじゃ居た。
………アリみたい。
そんな下らない事をボーッと考えて居たら、ギュッと後ろから抱き締められた。
「………先生。」
「ずっと、こうしたかった。今日の優愛ちゃん可愛すぎて………。」
そう言いながら、更に抱き締める力を強くした先生。
先生の腕に自分の手を重ねて触れる。
「私も、です………。」
自分で言うのもなんだけど、今日の私はやけに素直だ。
「優愛ちゃん、今日はやけに素直だね。」
先生にも分かったみたいで、右手で私の頭を撫でてくれる。
それが気持ち良くて、私は先生に体重を預け、寄り掛かった。
