「楽しみだなぁ、優愛ちゃんのコスプレ!」
夜、先生が満面の笑みでそう言った。
「ホント嫌です。あんな空気じゃ断れないし。」
あのクラスメート達のキラキラとした目を思い出して、気が重くなる。
「まぁまぁそう言わずにさ!せっかくの文化祭なんだし、楽しもうよ!」
………楽しめそうに無いわ。
っていうか、そもそも一緒に回れるような友達とか居ないし。
そんな事を思っていると、ふわっと先生に抱き締められた。
「文化祭一緒に回る事出来なくてごめんね。」
申し訳なさそうにそう言う先生に、私はふるふると首を横に振る。
「私は大丈夫です。」
先生を安心させる様に笑顔で答えた。
まさかあんな事が起きるなんて、この時は誰も予想して居なかった。
