実を言うと、まだ恐怖心がある。
捕まってないって事は、もしかしたらどこかで会っちゃう可能性がある。
学校も知ってるし。
「不安だよね。でも、俺が優愛ちゃんを全力で守るから。親父や香苗だって居る。優愛ちゃんはもう、一人じゃ無いんだよ。」
先生にそう言われて、ブワッと涙が溢れてきた。
少し前まで、ずっと一人で生きてきた。
頼れる人も居なくて。
でも、もう一人じゃ無いんだ。
先生や香苗さん、理事長が居る。
そう思うと凄く安心して、次から次へと涙が溢れてくる。
先生はそっと私を抱き締めて頭を撫でながら、「もう大丈夫だから。良く頑張ったね。」と言ってくれた。
それから私は、暫く先生の腕の中で泣いていた。