「そう、諸井さんの後ろの席の」

「…………あっ!ああ!やっぱ!だよね!」

名前をじっと考えた
顔は有名だ。多分この学校で知らない人はいないであろう。

ただ、その先を知らない。
元々人の名前を覚えるのが苦手な頭悪い自分にとってはかなりの難関だ。



「後ろの席の柳田」


相手に名前思い出そうとしてるのがバレた瞬間だった。


「で、その柳田が勉強みてあげんの、理解出来た?」


「あ、うん??」


「理解してねーな。さすがバカ。」


頭を掻きむしりながら関わったことも無い私を見下すのは
顔の美しさとかけ離れた性格だが間違えなく後ろの席の人だ。うん。

「で、お前がどれくらいバカだか俺は知らねーから知りたいんだけどテストの結果とかないの?」


「いやちょっとまって、そんな淡々と話進めてるけど柳田くんって頭良いの??」


「じゃないと頼まれないだろ普通」


「だ、大体何位くらいの方ですか…………?」


「急に何その敬語、お前面白いな」


なんて静かに笑いながら、当の本人は急に私と同じ高さで目を見つめた


「1位だから俺が頼まれたんだよ」



「ひぃ〜〜〜〜〜〜〜〜?!、?」
思わず変な声でたなと思ったし案の定目の前の人は笑ってる

それは顔が近すぎたからなのか、順位に驚いたからなのかなんなのか

たぶんどっちもだろう。


というか、そもそも事の発端は唐突だ。