中学校の周囲には、人が集まっていた。

 パトカーや救急車のサイレンが鳴り響いて、やじうま根性の持ち主を吸い寄せたようだ。

 ライトバンも止まり、中からカメラやマイクを持った男たちも現れた。真っ暗だった辺りは、照明をつけて明るくなった。


 用務員は少し緊張気味だった。

 二人のいかつい男が前のにいるからだ。向かって左側の男は四十代後半で、白髪が少し目立っている。温厚そうに見えた。

 右側の男は三十代前半くらいで、日焼けをし、たれ目だが、動作のひとつさえ見逃さないような鋭い眼光をしていた。

「あなたが第一発見者ですか?」

 林田と名乗った四十代後半の刑事が言った。

「はぁ……」

 用務員は緊張していた。

「間違いないんだな!」

 急かすように、もう一人の多川刑事が言った。

「詳しくお願いします。まず、発見時、学校内にはあなただけですか?」

「はい」