悠生くんたちは何か用事があるみたいで、教室内で別れて奈緒ちゃんと2人で廊下に出て、まずは奈緒ちゃんが入る予定のバスケ部を見学するために体育館に向かう
「そういえばさっきも聞いたけど、咲ちゃんって夕日谷から来たんでしょ?
珍しいっていうか、遠いよね?」
「あ、うん、お父さんの転勤で…」
「そっか、じゃあ家もこの辺?」
「家は少し離れてて、ここから市外に3駅行ったところなの」
「じゃあ隣だよ!あたしは4駅向こうだから
よかったら帰りも一緒に帰ろうよ」
「いいの?」
「もちろん」
初めて話すときには慣れるまでに結構時間がかかることが多いのに、奈緒ちゃんとだといつもよりずいぶん自然体で話せているような気がする
その証拠に、自分でも気が付かないうちに敬語が抜けていた
そのあと、バスケ部を見学していたらいつの間にか12時が来ていて、他の部活はまた明日見学することにして学校を出た
「ごめんね、あたしの見学に付き合わせちゃって…」
「全然!先輩たちすごく優しかったね」
