一生のお願い

「あ? てめーなんて愚弟で十分だよばーか」


俺と同じ顔して同じくらいデカい颯人がべーっと舌を出して部屋から出ていった。

今更、俺に返事をする権利なんてあるんだろうか。

でも。

「お兄ちゃん……」


しないと、ダメな気がする。


「楓!」

「ちょ、!」


なんと、楓は乙葉ちゃんに母乳を上げているところだった。


「こんんんの……クソ兄貴!!!」

「ぁが!」


そしてなんと、授乳したままスネに強烈な蹴りを入れてきたのだ。

あまりの痛みに立っていられなくなり、俺はその場に座り込んだ。もちろん後ろを向いて。

俊平さんは楓にこんな事されていないだろうか。少し蕨家の夫婦関係が心配になる。


「す、すまない……」

「ふん!」

「終わったら、話がある」

「……! ああそう」


痛む足になんとかムチを打って俺は廊下に出た。

しばらくすると、楓がリビングから出てきた。

リビングで俊平さんが乙葉ちゃんを見ているんだろう。


「それで、なんの用よ」

「ああ、そうだな」


うむ、こういうのどう切り出したらいいんだろう。