一生のお願い

「だってのによりによってお前なんか好きになるなんて!! 許せねえ、百合に挟まる男は死罪に値する!!」

「挟まった覚えはない!! 一旦落ち着け颯人!」

「ああ可哀想に楓……。愚弟さえいなければあんな切ない想いしなくても、可愛い後輩ちゃんなんかにお姉様と慕われ幸せに。いや、ここはあえての先輩や先生から……」


どうすればいいんだろうか。

颯人は今1人百合ん百合んな妄想の世界に旅立ちつつある。


「全部お前のせいだからな愚弟! なあ、あれ読んでお前、楓のこと気持ち悪いなんて思ってないだろうな?」

「気持ち悪い……?」


小説に、そんなこと書いてあるところあったな。

驚きはしたし、俺はなんてダメな兄貴なんだって悔いたけど。

気持ち悪いなんて感情は全くわかなかった。


「それは、絶対ない! ただ、なんで気づけなかったんだろうかって」


ごめんな楓。気づけなくて。

俺の心にはただそれだけだった。


「んじゃあいいんじゃねえの? 告白ってのは返事がつきものだろ? 愚弟の気持ちちゃんと伝えてこいよ」

「ああ、それはいいんだがその愚弟って呼ぶのやめていただけないか?」