一生のお願い

いつもブーブー文句を言いながら出迎えてくれた時も、一緒にご飯を食べていた時も、帰り道たまたま会った時も、俺の手を振り払った時も、塾の帰り道仲直りした時も、一緒に文化祭を回った時も、俺と晴人が付き合ってるって知った時も、俺が実家を出る時頬にキスしてきた時も……。

楓はどんな気持ちだったんだろう。どれだけ辛い思いをしてきたんだろう。

そして、実の兄としてそばに居たにも関わらず気づけなかった。

そりゃあ、赤子が生まれたことだって言いたくないよな。


『行かないで……』

『お兄ちゃん、好き……』


楓、ごめん。


「おい、愚弟」

「?! ……あ、颯人(はやと)か」


部屋で、1人座り込み泣いてる俺に話しかけてきたのは双子の兄の松戸 颯人(まつど はやと)。

中学受検で大失敗してからすぐにグレ、中2のとき家出をして以来ずっと行方知れずだったが、20歳になる頃なんと姫男子となって帰ってきた。ちなみに姫男子とは女性同士の恋愛百合が好きな男性のことだ。

不良をやめた今でも定期的に髪を金に染めているようだがめんどくさがりな性格のせいかよくプリンのままとなっている。今もだ。