「ええそうね、そのまま餓死してしまいなさい」

「健志以上に辛辣だな…。…?もう本屋ついたが楓は帰らないのか?」

「おにぃ…クソ兄貴こそ本屋入らないの?」

「入るぞ。じゃあ楓、気をつけて帰れよ」

「どうも、クソ兄貴は二度と帰ってこなくていいからね」


苦笑いしてクソ兄貴…お兄ちゃんは本屋に入っていった。


私のバカバカバカ!!なんであんなこと言っちゃったの!!

本当は一緒に帰りたかったよお兄ちゃん。部活だって帰りに会えるように時間調整して切り上げてきたんだよ。

まあ、そんなこと口が裂けても言えないけど。


家に着き自分の部屋に入るとベッドにダイブする。

スマホの写真アプリを開き、さっき改札口で後ろからこっそり撮ったお兄ちゃんの後ろ姿を眺める。


今日も、ちゃんと兄を嫌う生意気な思春期の妹として振る舞えてたかな。
絶対気づかれないようにしないと。

「お兄ちゃん…」



『お兄ちゃんお兄ちゃん!楓と遊んで〜!』
『こら楓、お兄ちゃんは受験勉強で忙しいのよ』
『別にいいよ、今日の課題終わったし』
『やったあお兄ちゃん大好き!!』