もちろん、その中身は…言わなくてもわかるわよね?

で、お兄ちゃんと部長はSNSで繋がるれっきとした腐仲間。

おのずと話す内容は腐な方向へ。


「あ、そういえば。楓さん今回小説を書いたんですよ」

「………あ」


忘れていた、あの小説の存在。


「ぶ、部長それは…!」

「あら、まずかったかしら?」

「何か書いたのか?」

「ええ、とっても切ないBL小説で…」

「だ、だめ!!」


思いのほか大きな声が出た。

案の定部長も、お兄ちゃんも驚いている。


「あ、えと…お兄ちゃん兄弟もの地雷って言ってたし…」


お兄ちゃんは昔そんなこと言ってた時期があった。

私がそれ知った時どんな気持ちだったかわかる?


「あー、そんな時期もあったな。今はさほど気にならないぞむしろおいしいじゃないか禁断の恋」


ドクン、となる私の心臓。

ねえそれほんと?


「まあでも、楓が嫌なら俺は読まないよ」

「あら〜残念ね」


でもやっぱりまだ、これをお兄ちゃんに渡せる勇気はなかった。

いつか、渡せる日が来るかな。


それからしばらく3人で語り合い、晴人くんとの約束の時間になってしまった。