一生のお願い

「えーっと、まずは聞かれてるものをxで置きましょう。あとは時速を分速に直してそれぞれの距離をxを使って…」

「…あ、『み・は・じ』ですね」

「そう、そして出会うってことは2人の進んだ距離の合計が5㎞になるからこれとイコールで結べば」

「わ！方程式完成しました！これで解けます、ありがとうございます！」


よかった。

五反野さんはさささと方程式を解いていく。

この後もいくつかわからないという問題を一緒に解いていき、なんとか1時間ほどで課題を終わらせられた。

このまま帰るのも寂しいとの事で、一緒にBL漫画を読み始めた。


「…あー、早く続き読みたいなぁ…」

「それの続きならもう発売されてるわよ？」

「そうなんですけど、今あまりお金無くて、お小遣いの日まで我慢しないとなんです」

「なるほどわかるわその気持ち。内容が内容だし買ってもらう訳にもいかないのよね」


親にBLを買ってもらうだなんて、羞恥心で死ねるわ。

まあ、お兄ちゃんは鋼のメンタルの持ち主だから腐に目覚めた小学生の時は買ってもらってたみたいだけど。


「…あ、でもそれの続きならおにぃ…クソ兄貴の部屋にあったはず。持ってくるわ」