少し俯き、一瞬言葉を詰まらせるがすぐにまた話し始める。


「だって…私が聞いた時先輩、とても切ないお顔をされていたので」

「…そうかしら」

「私はまだ子供なので頼りないと思われますが、なんでもおっしゃってくださいね」

「五反野さんは優しいのね。ありがとう」

「あの…それで先輩」


俯きながら小さくおずおずとそう言う五反野さん。

どうやらこっちが本題のよう。


「今日、先輩のお家行ってもよろしいですか…?」

「え、構わないけど急にどうしたのかしら?」

「勉強を、教えていただきたいと思いまして」


ガサゴソと、カバンを漁り始めその中からある紙を出して見せてきた。


「明日提出の数学の課題なんですが、調べたりしたんですけどどうしてもわからなくて」

「そういうことね、大丈夫よ。もう行くかしら?」


五反野さんは涙目だった目をぱあっと見開き笑顔になった。


「ああありがとうございます!!このご恩は決して忘れません!!」

「大袈裟よ、明日提出なら時間もないしもう行きましょう」

「はい!!先輩、先程はケチなどいってすみませんでした」

「別に気にしてないわ」