大好きだったパパ
黄昏時、海岸に行くと
亡愛犬ロッキーと
波打ち際を
散歩している
パパに会える

声をかけることは
出来ないし
向こうが気付くことも
ないけれど
楽しそうに散歩する
パパとロッキーを
見ることが出来るだけで
私は幸せなの

それはほんの30分の
昼と夜との狭間のまぼろし
私だけに見える
茜色のファンタジー

あぁ、今日もまた
夜がやってくる時間だね
パパとロッキーにさよならを
パパもロッキーも
決して気づかないけれど
精いっぱいに手を振るの

*fin*