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直己の父親と康樹の父親は古い知り合いだった。
現役で医学部に合格した直己に家庭教師の白羽の矢が立ったのは、ほんの数日前のこと。
父親同士の酒の席で突然決まったことだった。
せっかく医学部に入学したのにどうもやる気のない直己と、高校二年でアルバイトと恋愛に現を抜かす康樹。双方のためにも、勉強に携わることができる良い機会だと半ば強引に決まった。
直己と康樹は初対面ではない。
家族ぐるみでも付き合いのあるほど知った仲ではある。
「お前、最近彼女ができたんだって?そのせいで成績落ちてちゃダメだろ」
「そうかもだけど、彼女めっちゃ可愛いんだ。直己さんに見せて自慢したい」
そう言って笑う康樹はとんでもなく幸せそうで、直己はいささか嫉妬を覚える。
「今度の試験で学年十位以内じゃないとバイク禁止って言ってたぞ」
「うわっ、マジかー」
「あと、彼女にも会わせないって」
「父さん厳しすぎ……」
本気で青ざめる康樹だったが、それで俄然火がついたようで、直己の指導の元バリバリと勉強に励んだ。
直己の父親と康樹の父親は古い知り合いだった。
現役で医学部に合格した直己に家庭教師の白羽の矢が立ったのは、ほんの数日前のこと。
父親同士の酒の席で突然決まったことだった。
せっかく医学部に入学したのにどうもやる気のない直己と、高校二年でアルバイトと恋愛に現を抜かす康樹。双方のためにも、勉強に携わることができる良い機会だと半ば強引に決まった。
直己と康樹は初対面ではない。
家族ぐるみでも付き合いのあるほど知った仲ではある。
「お前、最近彼女ができたんだって?そのせいで成績落ちてちゃダメだろ」
「そうかもだけど、彼女めっちゃ可愛いんだ。直己さんに見せて自慢したい」
そう言って笑う康樹はとんでもなく幸せそうで、直己はいささか嫉妬を覚える。
「今度の試験で学年十位以内じゃないとバイク禁止って言ってたぞ」
「うわっ、マジかー」
「あと、彼女にも会わせないって」
「父さん厳しすぎ……」
本気で青ざめる康樹だったが、それで俄然火がついたようで、直己の指導の元バリバリと勉強に励んだ。



