俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆

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爽やかに晴れた土曜日。
一花は花束を持って霊園に来ていた。

彼氏だった康樹の命日には、こうして毎年墓参りをするのが慣例になっている。
それを誰かに強制されたことはないし、誰かに告げたこともなかった。

自分一人だけの、慣例行事。

やめたいと思ったことも、やめようと思ったこともない。かといって、行かなくてはいけないという気持ちに駆られたこともない。

花を花瓶に入れ、綺麗に整える。
丁寧に線香をあげ、手を合わせた。

康樹が亡くなってから、もう七年にもなろうとしている。
この七年間、一花は康樹のことを忘れたことはなかった。

康樹が生きていたら、今頃どうなっていただろう。
大人っぽい顔つきに変わっただろうか。
スーツを着て仕事をしていただろうか。
二人の交際は続いていただろうか。

たくさんの想像は、一花の心を締めつける。
止まってしまった時間が動き出すことはもうないんだと、そんな風に漠然と考えていた。