俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆

今日は外出の予定もなく、出張中にたまったメールの確認など事務仕事を淡々とこなす日になった。

幸いにして柳田は外出しているようで、一花にとっては都合が良い。昨日の今日で気まずい思いもあり、なおかつ体も痛い。あまり動かずパソコンと向かい合って仕事をするのがありがたかった。

「野原さん、働いてもらうのは大変助かるのですが、あまり働かせると社長に怒られますのでそろそろ終わりにしましょう。送りますよ」

終業時刻、向井に声をかけられ一花は顔を上げた。事務作業に没頭すると本当にあっという間に時間が経ってしまう。

「そういえば今日社長は……?」

終業時刻を過ぎても柳田が帰ってくることはなく、一花は不思議に思う。

「今日から三日間中国で国際展のためにいませんよ。スケジュールに書いてありますが?」

「あ、本当だ。すみません、すっかり忘れていました」

慌てて柳田のスケジュールを確認すると、出張(中国.国際展)としっかりと表示されていた。

一花は内心胸を撫で下ろす。
柳田からのキスは、何度も何度も一花の頭の中で反芻される。あんなことをされて、一体どんな顔で柳田と向き合えば良いのか、まったくわからない。

だが、一花のほっとした表情を向井は見逃さなかった。