俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆

翌日、病院とは思えない豪華な朝食をとった一花は、身支度を整えて病院を出た。
元々検査入院として大事をとっての入院措置だったので、なんなく退院することができた。

受付で入院費のことを聞くと、すでに支払いはされているという。間違いなく柳田の仕業だと一花は思ったが、丁寧に挨拶をして病院を後にした。

病院からオフィスビルまでは目と鼻の先だ。同じ複合タウン内にある。
改めて、すごいところで働いていることを実感した。

「おはようございまー……」

「えっ!野原さん?!」

一花が病院から直接出勤すると、向井が目を丸くして驚いた。

「今日はお休みだったのでは?社長からそう聞いていますよ?」

「いえいえ、大丈夫なので出勤しました。ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした」

頭を下げると体に激痛が走る。
階段から落ちて打ったところは派手に痣ができていて、少し体を捻るだけで痛みがある。

といっても幸いにして骨に異常はなく湿布での対処法になるので、しばらくは我慢するしかないのだが。

「私が社長に叱られますよ……」

自席に座りパソコンを起動させる一花に、向井は小さくため息をつきながらボソリと呟いた。