俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆

その後も二件病院を巡り、会社に戻るには遅いということでそのまま柳田は一花を家まで送ることにした。

「いや、だから一人で帰れますって」

「うるさい、いいから乗れ」

強引に車に押し込まれ、一花は助手席で大きなため息をついた。と同時に運転席に乗り込んだ柳田が一花に覆い被さるようになる。

「ひぇっ!」

「ちゃんとシートベルトを締めろ」

カチッとベルトが締まる音がして、ようやく今の柳田の行動が一花のシートベルトを締めるためだったとわかった。

(びっびっびっびっ、びっくりしたぁ!)

内心ドキドキと騒ぐ心臓を止めるため、胸に手を当てて小さく息を吐き出す。

「お前、今なんか期待しただろ?」

「……してません」

ニヤニヤと意地悪く笑う柳田は一花の答えも想定内なのか、殊更楽しそうに笑った。

「俺はしてもいいけど?」

「……なんのことです?」

「何って、一花が期待してることだけど?」

まさかのあらぬ想像をしてしまい、一花は体温が上昇するのがわかった。

「い、いいですから、早く家まで送ってください。」

「はいはい」

明らかに動揺しているのにそれをひた隠そうとする態度がとんでもなくいじらしくて、柳田は自分でも気づかないくらいに優しい目をして一花を見ていた。