俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆

「野原さん、今日から私が野原さんの送迎をします」

「え?なぜですか?」

「数日前から送られている標的型メールなのですが、どうやら社内では野原さんのみに送られているようなんです。もしかしたら個人攻撃かもしれませんので念のため、です」

「でもメール以外は特に何もありませんし、大丈夫ですよ」

「いえ、野原さんに何かあったら社長に殺されます」

「はい?」

殊更真剣な顔で言われ、一花は声が裏返ってしまった。なぜそこで柳田が出てくるのか。一花が疑問を口にする前に、向井は言う。

「一花は俺が落とすから手を出すなと宣戦布告されています」

「え?は?え?」

「神戸で何かありました?」

「え、いや……」

「しんのすけから一花に変わっていますけど」

「あー、えっと…………」

神戸で“お前を落とす”と告白されました……とは言えるはずもなく戸惑ってしまう。何と言ったらいいのか、言わなくとも向井にはお見通しのような気もしなくもない。