俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆

「んー、美味しい。明石焼きにして正解ですね」

「向井への土産も明石焼きにするか」

「神戸牛じゃないと怒りません?」

「怒るかもな」

神戸牛を指定してきた向井の顔を思い浮かべる。あの穏やかな顔の向井が怒るところは到底想像ができなかった。

「いや、怒りませんよ、向井さんは。社長じゃあるまいし」

「失礼なやつだな。お前はまだ向井の怖さを知らねーのな」

「だって、見たことないです」

「静かに怒るんだ。内に秘めたるものが爆発するらしい」

「なるほど、ギャップ萌えですね」

一人納得してうんうんと頷く一花に、柳田は急に真剣な顔付きで言う。

「一花、向井に惚れるなよ?」

「は?惚れませんよ」

「俺にしとけ」

さらりと言われた言葉に動揺し、一花は明石焼きが喉に詰まりそうになり慌てて水で流し込む。

「……それもないです」

「いや、俺にしろ」

「何言ってるんですか」

「俺と付き合えよ」

「……神戸まで付き合ったじゃないですか」

「そうじゃねーよ」

「恋愛のお付き合いならお断りです」

ピシャリと言い放つ一花に、柳田は不適な笑みを浮かべた。

「おもしれぇ。絶対にお前を落とす!」

その自信に満ちあふれた顔に、一花はそれ以上言い返すことができなかった。