「んー、美味しい。明石焼きにして正解ですね」
「向井への土産も明石焼きにするか」
「神戸牛じゃないと怒りません?」
「怒るかもな」
神戸牛を指定してきた向井の顔を思い浮かべる。あの穏やかな顔の向井が怒るところは到底想像ができなかった。
「いや、怒りませんよ、向井さんは。社長じゃあるまいし」
「失礼なやつだな。お前はまだ向井の怖さを知らねーのな」
「だって、見たことないです」
「静かに怒るんだ。内に秘めたるものが爆発するらしい」
「なるほど、ギャップ萌えですね」
一人納得してうんうんと頷く一花に、柳田は急に真剣な顔付きで言う。
「一花、向井に惚れるなよ?」
「は?惚れませんよ」
「俺にしとけ」
さらりと言われた言葉に動揺し、一花は明石焼きが喉に詰まりそうになり慌てて水で流し込む。
「……それもないです」
「いや、俺にしろ」
「何言ってるんですか」
「俺と付き合えよ」
「……神戸まで付き合ったじゃないですか」
「そうじゃねーよ」
「恋愛のお付き合いならお断りです」
ピシャリと言い放つ一花に、柳田は不適な笑みを浮かべた。
「おもしれぇ。絶対にお前を落とす!」
その自信に満ちあふれた顔に、一花はそれ以上言い返すことができなかった。
「向井への土産も明石焼きにするか」
「神戸牛じゃないと怒りません?」
「怒るかもな」
神戸牛を指定してきた向井の顔を思い浮かべる。あの穏やかな顔の向井が怒るところは到底想像ができなかった。
「いや、怒りませんよ、向井さんは。社長じゃあるまいし」
「失礼なやつだな。お前はまだ向井の怖さを知らねーのな」
「だって、見たことないです」
「静かに怒るんだ。内に秘めたるものが爆発するらしい」
「なるほど、ギャップ萌えですね」
一人納得してうんうんと頷く一花に、柳田は急に真剣な顔付きで言う。
「一花、向井に惚れるなよ?」
「は?惚れませんよ」
「俺にしとけ」
さらりと言われた言葉に動揺し、一花は明石焼きが喉に詰まりそうになり慌てて水で流し込む。
「……それもないです」
「いや、俺にしろ」
「何言ってるんですか」
「俺と付き合えよ」
「……神戸まで付き合ったじゃないですか」
「そうじゃねーよ」
「恋愛のお付き合いならお断りです」
ピシャリと言い放つ一花に、柳田は不適な笑みを浮かべた。
「おもしれぇ。絶対にお前を落とす!」
その自信に満ちあふれた顔に、一花はそれ以上言い返すことができなかった。



