「……すごいなぁ」
無意識に口にした言葉は、会場の扉が開くと同時に掻き消されていった。
しばらく待っていると柳田が出てくる。
一花を見つけると早速ネクタイを緩めた。
「お疲れ様でした。まだネクタイは締めておいた方がいいと思いますけど?」
「固いこと言うなよ」
「ダメです、いろいろな方がいらっしゃいますから」
一花はキョロキョロと辺りを見回しながら言う。ネクタイくらい、帰るまできちんと締めておいてほしいものだ。
「じゃあ直して」
「はぁ?」
そう言って、柳田は一花が締めやすいように少し屈んだ。完全に直してもらう気満々の柳田に、一花は戸惑う。
「早く。人が来るだろ?」
躊躇いながらも手を伸ばし、柳田のネクタイをきゅっと締め直した。
意外と難しく、思ったより時間がかかってしまった。
無意識に口にした言葉は、会場の扉が開くと同時に掻き消されていった。
しばらく待っていると柳田が出てくる。
一花を見つけると早速ネクタイを緩めた。
「お疲れ様でした。まだネクタイは締めておいた方がいいと思いますけど?」
「固いこと言うなよ」
「ダメです、いろいろな方がいらっしゃいますから」
一花はキョロキョロと辺りを見回しながら言う。ネクタイくらい、帰るまできちんと締めておいてほしいものだ。
「じゃあ直して」
「はぁ?」
そう言って、柳田は一花が締めやすいように少し屈んだ。完全に直してもらう気満々の柳田に、一花は戸惑う。
「早く。人が来るだろ?」
躊躇いながらも手を伸ばし、柳田のネクタイをきゅっと締め直した。
意外と難しく、思ったより時間がかかってしまった。



