俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆

一花の心はもやっとしていた。
柳田の秘書以外に何に見えるというのだ。
確かに穂香に比べ一花は地味だ。化粧は最低限だしアクセサリーだってほとんど着けない。スーツも落ち着いた色合いのものばかりだ。
それが悪いことだとは思ったこともなかった。

今日、柳田の横に並ぶ穂香を見て、本当にお似合いだと思った。柳田の横にはそれくらい綺麗な人が必要なのではと思う。

「しんのすけ、どうした?」

「えっ?」

穂香を無事送り出し自席に戻った一花は、柳田に声をかけられ顔を上げた。

「元気ないな」

「いえ、別に……」

「何か言われたか?」

「えっと、社長の秘書なのに地味だと言われました」

一花の答えに柳田は珍しくポカンとする。
そしてふんと鼻で笑った。

「確かにしんのすけは地味だな」

「私もっと派手にしたほうがいいですか?」

「は?」

「地味だなんて、社長までそんな風に見られたら嫌です」

一花は真剣に考え込む。