優しい君、不器用なあなた

ミナはいつも笑顔で常に明るい女の子だった。
こんな、深刻な顔するのをみるのははじめてだった。

ミナを部屋へつれていき、蜂蜜をたらしたホットミルクを用意した。

「お疲れではないですか?どうぞ、ホットミルクをお飲みください。」

ミナのせなかをさすりながら行った時に。


ミナはホットミルクを飲みほっとしたかのように息をはいた。

そして、ぽつりぽつりと話始めた。

「あのね、パパがね、お仕事から帰ってきたの…でもね、いつものパパじゃないの…」

ミナの父は大工をしており、母はパン屋で働いている、両親が共働きだが、日中は祖父母とすごし、幸せに暮らしていた、しかし、仕事から帰ってきたミナの父は顔をふせ、ただいまの挨拶もせず、自室にこもったままだったのだ。