私は先生の暴走を止めようと先生の腕を掴むと、先生はその腕を引いて優しく私を抱きしめた。
触れるか触れないか、ぐらいに、ふんわりと。
その優しさに、私は思わず申し訳ない気持ちになってしまう。
「先生……」
「お前、俺の前であいつの話するの、禁止な」
「……横暴」
「あいつと二人きりになるのも禁止」
「……暴君」
先生は私の背中にまわしていた腕を解いて、今度は私の頬を両手で包み込んだ。
「お前ってほんとに危機感なさ過ぎるから、心配なんだよ」
うっ。分かってます、だって前にも──
──そう言えば前にも誰かにそんな事を言われて……と思い、ハッとする。
そうだ、前に悠斗に言われたんだ……。



