先生がいてくれるなら②【完】


私は先生の暴走を止めようと先生の腕を掴むと、先生はその腕を引いて優しく私を抱きしめた。


触れるか触れないか、ぐらいに、ふんわりと。


その優しさに、私は思わず申し訳ない気持ちになってしまう。



「先生……」

「お前、俺の前であいつの話するの、禁止な」

「……横暴」

「あいつと二人きりになるのも禁止」

「……暴君」



先生は私の背中にまわしていた腕を解いて、今度は私の頬を両手で包み込んだ。


「お前ってほんとに危機感なさ過ぎるから、心配なんだよ」



うっ。分かってます、だって前にも──


──そう言えば前にも誰かにそんな事を言われて……と思い、ハッとする。


そうだ、前に悠斗に言われたんだ……。