──だけど、ただただ幸せなだけの時間というものは、そう長続きしないものなのだった。 それは、先生の一言であっけなく崩れ去る。 「ところで……」 私の頭を撫でながら。 「──そもそも、なんであんな事になったんだ?」 この場面で、そこ、思い出す必要なくないですか? 私はもうちょっと幸せの余韻に浸りたかったんですけど……。 そう思いながら。 「あれっ、その話はしてませんでしたっけ? いえ、まぁ……たいした事では無いので……」