先生がいてくれるなら②【完】



──だけど、ただただ幸せなだけの時間というものは、そう長続きしないものなのだった。


それは、先生の一言であっけなく崩れ去る。



「ところで……」


私の頭を撫でながら。


「──そもそも、なんであんな事になったんだ?」


この場面で、そこ、思い出す必要なくないですか?


私はもうちょっと幸せの余韻に浸りたかったんですけど……。


そう思いながら。


「あれっ、その話はしてませんでしたっけ? いえ、まぁ……たいした事では無いので……」