すると、不意に先生が「はぁ……」とため息をついた。 「……先生?」 「もう一回お前の話聞かなきゃなんないの、耐えられるかな……」 「じゃ、席外してて良いですよ」 「それも無理」 「あはは、先生わがまま」 「うるさい」 我が儘を言う先生が可愛くて、思わず笑ってしまった。 先生は私の背中の痣を気にして抱きしめることはせず、ただ優しく頭を撫でてくれる。 それだけの事なのに、私はとても嬉しくて幸せで。