「……立花は、俺なんかのどこが良いの？」
理由を聞かれると思ってなかったので、私は緊張で全く回らなくなってしまった頭をなんとか回転させて言葉を探す。
“どこが”とか、“どうして”とか、そんなのはもうとっくの昔に通り過ぎた気がする。
そんな、口先だけ、小手先だけの理由じゃ無い。
もう多分、先生の良い所も悪い所も全てが、好きなんだ。
先生の言動一つで一喜一憂して、ジェットコースターみたいに上がったり下がったり忙しくなる。
こんな感情を、“愛”と言わなければ、一体何だと言うのだろう？
──私は、先生を、愛してる……。
