「私ね、正直言って、もうダメなんだって、一度諦めました。もう、このまま天国にいるお兄ちゃんの所に行ってしまうのも、仕方ないのかなー、それも良いかなーって」
「立花……」
先生の顔が悲しそうに歪む。
「でもね、私……まだ私の周りにいてくれる大切な人たちに、何一つ私の気持ちを伝えてなかったなって気がついて」
「うん……」
「だから私、絶対ここから出ようって。そして、絶対みんなに私の思いを伝えなきゃって」
「うん……」
先生は少し身体を寄せて、私の頭を優しく撫でてくれた。
「お父さんにも、お母さんにも、友達にも、自分の気持ち、ちゃんと伝えなきゃって思って」
「うん……」



