先生がいてくれるなら②【完】



「私ね、正直言って、もうダメなんだって、一度諦めました。もう、このまま天国にいるお兄ちゃんの所に行ってしまうのも、仕方ないのかなー、それも良いかなーって」


「立花……」


先生の顔が悲しそうに歪む。


「でもね、私……まだ私の周りにいてくれる大切な人たちに、何一つ私の気持ちを伝えてなかったなって気がついて」


「うん……」


「だから私、絶対ここから出ようって。そして、絶対みんなに私の思いを伝えなきゃって」


「うん……」


先生は少し身体を寄せて、私の頭を優しく撫でてくれた。


「お父さんにも、お母さんにも、友達にも、自分の気持ち、ちゃんと伝えなきゃって思って」


「うん……」