その日の夜──。 修学旅行から帰って来る日。 クラスのみんなはもう家に帰ってるだろう。 楽しかっただろうな。 私も行きたかったなぁ。 先生も家に帰ってるだろうか。 引率、きっと大変だったよね。 あーあ、沖縄、行きたかったな! 袖を捲って点滴から自由になった腕を見ると、念のため、と言われ数日間針を刺し続けた腕には、蹴られた時の痣とはまた違った感じの、青紫色の跡が残っている。 これはこれで地味に痛い。